口腔外科は、虫歯や歯周病といった一般的な歯科治療とは異なり、顎や顔面を含むお口まわり全体の異常やトラブルに対して、外科的な処置を行う診療科です。
親知らずの抜歯、口内炎、顎関節症、睡眠時無呼吸症候群など、幅広い症状に対応しており、必要に応じてCTなどの画像診断も活用します。
「痛みがある」「腫れている」「違和感が続く」といった症状があれば、
早めの受診をおすすめします。まずはお気軽にご相談ください。
親知らずの抜歯
親知らずは、10代後半から20代前半にかけて生えてくる奥歯で、正常にまっすぐ生えるケースもありますが、多くの場合は斜めや横向きに生えたり、歯ぐきの中に埋まったままになったりすることがあります。
こうした状態の親知らずは、痛みや腫れ、炎症を引き起こすだけでなく、
手前の歯を圧迫して虫歯や歯周病の原因になることもあります。
そのため、将来的なトラブルを避ける目的で、症状が出る前に抜歯を検討することもあります。
当院では、事前にレントゲンやCTを用いて、親知らずの位置や神経との距離を正確に把握し、できるだけ安全で負担の少ない抜歯を行っています。
また、痛みに不安がある方には、麻酔や処置後のケアについても丁寧にご説明いたします。
口内炎
口の中にできる白っぽい潰瘍や赤く腫れた部分、ヒリヒリとした痛み。
これらは口内炎の代表的な症状です。
原因は、ストレスや栄養不足、免疫力の低下、睡眠不足、さらには頬や唇を噛んでしまった小さな傷など、さまざまです。
「口内炎くらいで歯科に行ってもいいのかな」と迷われる方も多くいらっしゃいますが、実は、歯科で適切な処置を受けることで痛みが和らぎ、自然治癒よりも早く改善するケースも少なくありません。
多くの口内炎は数日〜1週間ほどで自然に治りますが、痛みが強い、なかなか治らない、繰り返しできる、範囲が広がるといった場合には、ほかの病気が隠れている可能性もあります。
当院では、症状の経過やお口の状態を丁寧に診察し、必要に応じてレーザー治療及び塗り薬やお薬の処方を行っていますので、どうぞお気軽にご相談ください。
顎関節症
「口を開けるとカクカク音がする」「口が開けづらい」「顎が痛い」といった症状は、顎の関節や筋肉にトラブルが生じることで起こる「顎関節症(がくかんせつしょう)」の可能性があります。
原因はひとつではなく、歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせの不良、ストレス、頬杖、姿勢の悪さなど、複数の要因が絡み合って起こることが多いとされています。
顎関節症は自然に治る場合もありますが、放置して悪化すると、開口障害(口が開かなくなる)や強い痛み、顎の運動制限など、日常生活に支障をきたすこともあります。
当院では、症状や生活習慣を丁寧にお伺いしたうえで、マウスピース(スプリント)による治療や、日常生活でのアドバイスを通じて、負担の少ない治療を行っています。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。
主な症状はいびき、日中の強い眠気、倦怠感、集中力の低下などで、放置すると高血圧や心疾患、脳梗塞など全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
原因のひとつに「気道の閉塞(空気の通り道が狭くなること)」があり、特に顎が小さい・舌が大きい・肥満傾向のある方に多く見られます。
医科で「軽度~中等度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と診断された方に対し、下あごを前方に移動させて気道を広げるマウスピース(スリープスプリント)を用いた治療を行っています。
いびきや眠気など、気になる症状がある方は、まずは専門の医療機関で検査(PSG検査)を受けたうえで、歯科での治療が適しているかをご相談ください。
その他のトラブルにも対応しています
口腔外科では、親知らずや顎関節症などのほかにも、日常生活の中で起こるさまざまなお口のトラブルに対応しています。
- 口の中にできた「できもの」や粘膜の異常
- 転倒などによる歯の破折や、唇・歯ぐきのケガ
- 口が開きづらい、閉じにくいといった開口障害
- しびれや違和感など、神経症状を伴うもの
「これって歯医者で診てもらえるの?」と迷われるような症状でも、まずはお気軽にご相談ください。
必要に応じて大学病院などの専門機関と連携し、適切な診断・治療につなげてまいります。
よくあるご質問
痛みや腫れがある場合は早めの抜歯が推奨されますが、症状がなくても将来的にトラブルの原因になる位置にある場合は、抜歯をご提案することがあります。
はい、大丈夫です。市販薬で治らない・繰り返す・痛みが強い場合などは、歯科での処置や適切なアドバイスによって改善が早まることもあります。お気軽にご相談ください。
軽度のものは自然に症状が和らぐこともありますが、無理な開閉や放置によって悪化する場合もあります。マウスピース治療や生活習慣の改善で早期に対応することが望ましいです。
はい、医科で「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と診断され、紹介を受けた場合は保険適用でマウスピース(スリープスプリント)を作製できます。まずは専門医で検査を受けることをおすすめします。